意外に知らない窓リフォームの種類と特徴とは?
まずリフォームと言えば最初に思い浮かべるのは、キッチンや浴室、洗面所などの水回り設備を新しいものに取り替える、はたまたクロスを貼り替える、リビングの間取りを変えるという変わったことをすぐにイメージできる工事ではないでしょうか?
窓リフォームが真っ先に考えられないのは、それは窓のリフォームがどのようなものなのかを具体的にイメージしにくいからではないでしょうか?
そこで窓リフォームにはどのようなものがあるかを項目毎にメリット・デメリットを踏まえてみていきます。
外窓交換
外窓取替は今ある窓をそっくり新しいものに取り替えてしまうというもの。そもそも外窓とは?どのように取り替えるのか?ということを踏まえてみていきます。
外窓とは室内と室外を隔ている窓、いわゆる部屋などに最初から付いている窓になります。
もちろん外窓は壁と一体になっていますのでこれを取替えようとすると壁を壊して窓の枠から取り外さなければなりません。
ただ、このような従来の方法では壁の修繕も必要になってきますし、さらに2階の窓ともなると足場も必要になり費用もそれなりに膨らんでしまいます。施工も当然数日は必要になるでしょう。
そこでここでの取替とは、〝費用も抑制〟 〝1日で工事完了〟を満たす『カバー工法』というリフォーム工法を前提にみております。
カバー工法とは、今付いている窓枠をそのままにして、その内側に新しい窓枠を取り付ける工法です。
LIXILなどのサッシメーカーが取り扱うカバー工法用の商材を使ってサッシ業者のみで完成させてしまうというものです。この工法であれば取替費用を抑制できますし、サッシ業者のみが行うので打ち合わせなどのお客様の負担は少なくて済むでしょう。
【メリット】
・窓が全体的に新しくなります。
・現在ではよくみられる室内側が樹脂製・室外側がアルミ製の構造のハイブリッドサッシを採用すれば、室内側では断熱性のある樹脂により冬場の結露を抑制でき、室外側ではアルミ製により従前通りの耐久性も備えた優れた窓になります。室内側で言えば樹脂特有の色合いによってアルミとはまた違った柔らかい雰囲気の窓となり意匠性の向上も期待できます。
・窓ガラスについては複層ガラス(2枚が一組になっているガラス)が初期設定となっています。さらにLow-E複層ガラス(熱放射を低減する金属皮膜付複層ガラス)を選択すればさらに断熱性の高い窓にできます。
【デメリット】
・今の窓の内側に新しい窓を取り付けるため窓自体が少し小さくなってしまします。ベランダサッシでの取替になると下枠が立ち上がってしますので、ベランダに出る時などに引っかからないようにしっかり跨いでもらう必要があります。
ガラス交換
今付いている窓のガラスだけを断熱性の高いガラスに取り替える方法です。
現状の一枚ガラスから戸建て住宅では現在標準設定になっている断熱性の高い複層ガラス(2枚が一組になっているガラス)に取り替えます。
Low-Eという熱放射を軽減させる金属皮膜が付着されているさらに優れた複層ガラスもお勧めです。
ただし、サッシの溝幅には気を付けなければなりません。一般的な複層ガラスの構造が、《室外ガラス側+空気層+室内ガラス》でガラスの厚みは一枚ガラスに比べるとだいぶ厚くなるので、これが入る溝幅が必要になります。
そのため一枚ガラスを前提にした溝幅の既設サッシにはめ込むために〝アタッチメント金具〟が付いたアタッチメント付複層ガラスを用います。
または2枚ガラスながら分厚くない〝真空ガラス〟を使用すればアタッチメント金具を使用せず交換が可能です。
ガラス交換では断熱性の高いガラスへの取替の他、防犯性の高いガラスに取り替える需要も最近では多くなってきています。
防犯ガラスは合わせガラス(2枚のガラスが特殊フィルムで合わさっているガラス)という構造で複層ガラスのような空気層がない分、ガラスの厚みはないので既存のサッシ溝幅にもはめ込むことができます。
【メリット】
・アルミ部分をそのままにガラスのみを交換するので費用面において外窓交換に比べて抑制できます。
・ガラスだけが取り替わりサッシ自体はそのままなので窓サイズが小さくなることがないです。
【デメリット】
・複層ガラスになるとガラスが2枚になるため重さも2倍になります。既設のサッシはガラス一枚分の重量を前提にした戸車(サッシ下部に付いている車輪)であるため、複層ガラスになることで2枚分になった重量に耐えられずスムーズに稼働しない可能性があります。
・サッシ部分はそのままになるので冬場に結露をしている場合、サッシのアルミ部分は変わらず結露が発生してしまいます。
内窓取付
名前の通り外窓に追加する形で新たに内側に取り付ける窓になります。今付いている外窓の部屋の内側に付いている木枠(額縁)などに内窓を取り付けます。
内窓は室内で使用するので枠全体が樹脂でできているため取付後は部屋の雰囲気の変化も期待できます。
内窓のガラスは一枚ガラスor複層ガラス(Low-E複層ガラス含む)かを選択できます。
内窓枠を取り付けるために7センチの幅が必要になります。窓によっては必要幅がない場合は幅を継ぎ足す “ふかし枠” という部材をあらかじめ取り付けて内窓枠が取り付けられるように下地を整えます。
内窓取付では、今の窓を取り外したり、解体することもないので基本的には手軽に取り付けられます。※窓の状況によっては“ふかし枠”などのオプション部材の取り付けも必要になってきます。
【メリット】
・外窓と内窓との間にしっかりと空気層が設けられるため断熱性は高いです。
・サッシが二重になり気密性が向上し防音効果も期待できます。
・樹脂製特有の見た目で部屋全体の雰囲気も変えられます。
・取付が比較的容易であるため施工代については外窓交換やガラス交換に比べて窓一カ所あたりの施工代は抑えられます。ただし、“ふかし枠”取付が必要となる際は施工費は加算されます。
【デメリット】
・ベランダに出る際や換気の際に外窓と内窓とを2回開けなければなりません。外窓のクレセント(施錠金具)を施錠する際も一旦内窓を右側に寄せてしまうなどの動作が必要になります。
・“ふかし枠”を使用した場合、今の窓枠から部屋内に出っ張ってきてしまします(最大で7センチ)。
実際の施工写真
以前行った各窓リフォームの施工写真を以下に掲載します。
外窓交換
《掃き出し窓》
完成(LIXIL製 リプラス) 施工前
《腰窓》
完成(LIXIL製 リプラス) 施工前
断熱性が向上したことはもとより、施工前のシルバー調から完成後の室内側樹脂の見た目が部屋の雰囲気を柔らかいものに変えてくれました。
ガラス交換
《アタッチメント付複層ガラスの写真》
※ガラスの周囲に見えるものが“アタッチメント金具”になります。
《ガラス交換時の施工写真》
内窓取付
内窓が持つ樹脂製ならではの見た目・雰囲気によって部屋の様子を変えることができます。
《マンションでの内窓設置 4枚建て》
《戸建て住宅での内窓取付 2枚建て》
まとめ
窓リフォームの種類には大きく分けて、①外窓交換、②ガラス交換、③内窓取付があることをみてきました。
お住まいの方のお困りごとやお望みの内容、またどれだけ予算を見積もっているかによってどのリフォームが最適かをそれぞれのメリット・デメリットを踏まえて決定することができれば、その窓のリフォームは良いものになるでしょう。
当社では、京都市内を中心に宇治市、亀岡市などの周辺市内へのご対応も致しておりますので窓リフォームをご検討の際は是非ご検討頂ければ幸栄でございます。